6mAMトランシーバ 「フェムト」 の紹介
2エリアロールコールグループ
JP2OMU/酒井 宏高
始めに
あなたも、6mAMのトランシーバを作ってみませんか。今でもトランシーバの自作は可能です。
このトランシーバに使用している部品はすべて「サトー電気」の通販で入手しました。
6mバンドでは、AMモードがまだ活用されています。AMでロールコールを行っている地域も有ります。自作トランシーバでロールコールにチェックインしてみましょう。
このトランシーバに使用している回路は、各ホームページや書籍で発表された回路の寄せ集めです。どうですか、見たことの有る回路ばかりでしょ。
このトランシーバの名前は「フェムト」です。私の設計力を自己評価し指数の単位で10のマイナス15乗くらいと考え、この名前にしました。どうぞよろしく。
2エリアロールコールグループでは、94年95年98年の3回、6mAMトランシーバのキットを発表して来ました。最後の発表から大分期間が開いてしまいましたが、2004年にキットを発表すべく準備を進めてまいりました。残念ながら今年の目標の一つである、予算1万円以内を達成できず、キットの発表は中止としました。しかし、回路図だけですが発表しますので、自作愛好家の皆さんの参考になればと思います。
設計の仕様は
2エリアのロールコールのグランドミーティングで話をしたら。
ハンディタイプが欲しいです。周波数は50.55〜50.62MHzをカバーして。
ロールコールにチェックイン出来る様に100mWは欲しいぞ。トランシーブ方式が必要です。
予算は、1万円以内でね。
皆さん、良い事を言ってくれました、私の実力も知らず、トホホ
苦労の始まり。
今まで、電池駆動のトランシーバなんて作った事ないぞ。トランシーブ方式は作った事ないぞ。
「まいったなー」が最初の感想です。
でも、ハンディトランシーバを一度は作ろうと考えて居ましたから、遣り甲斐があります。
全体の周波数構成を決め、さあ実験です。
VXOの実験
40MHzの3rdオーバートーン水晶だと、周波数が目標の範囲になりません。次に水晶を並列としたスーパーVXOなら安定度の良いものが出来ました。しかし、これでは価格が高くなってしまいますので、安価な20MHzの水晶で2逓倍する方法に変更しました。
電源投入直後に周波数変動が少し有りますが、すぐ安定しますのでよしとしました。
受信回路はどうしよう
AMの回路だったら、Sメータを振らせる事も出来るLA1600で決定でしょう。AFアンプは、お決まりのLM386です。でも、困った、感度が悪いです。そしてJF2NMY/高木さんに教えてもらったのがTA7358APです。FMチュナー用のICですから、50MHzにはぴったり。50.7MHzからVXOの40MHzを引き、第一IFの10.7MHzに落とし、次に10.245MHzで第二IFの455KHzに変換するダブルコンバージョンです。これでも感度もバッチリです。
送信回路はどうしよう
高木さんに頂いた回路図が有りました。40MHzのVXOと10.7MHzをミックスして、50.7MHzが出来る。VXOは周波数の低い方に変化するので行けそうです。
次に電源電圧6Vで100mWが出せるトランジスタの、資料が有りません。こうなったら感と実験有るのみです。価格が安く高い周波数でもパワーの出そうなトランジスタを選び、実験して決めました。変調回路はいつものLM386です。
受信でTA7358APが使えるのなら、送信にだって使えるだろうと考え実験をしてみました。
はじめは送信スプリアスに苦労させられましたが、周波数構成と適切な信号レベルを与える事でスプリアスを低くできました。
あきらめた発振回路 2題
LA1600には発振回路が入っています。この回路で10.245MHzの水晶が発振できたら
トランジスタが1つ省略できますが・・・・
TA7358APにも発振回路が入っています。この回路で10.7MHzの水晶を発振させると、
10.708MHz、と少し高い周波数になってしまいました。色々やってみましたが、下げられませんでした。
最後に
設計中は上手く動かず、落ち込んだ時も有りますが、ロールコール各局の励まして゛、何とか完成のレベルに出来たと思います。まだまだ足りない所も有ると思います。皆さんのアイデアのスペシャル仕様が出てくる事を期待したいと思います。
感想、お問い合わせは、 http://www.6mam.com/ の掲示板にどうぞよろしく。
各局 ありがとうございました。2004/7/21
参考資料&ホームページ
CQ出版社 アマチュア無線自作電子回路
JR8DAG局ホームページ、JG3ADQ局ホームページ、JF2NMY局自作資料